わたしの花道

リストカットやうつ病経験からメンタルヘルスについて書いています

自分のことを宇宙人だと思い続けて10年強・・ADHDでした

この事を書こうと思うまで結構時間がかかりました。

 

なんなら「そうかもしれない」って思ってから実際に受診するまでも勇気が出ずにモダモダしてたんですよ。

 

今思えばもっと早く検査を受けたかった、以外に何もないんですけど。

 

で、これを書いておこうって思った1番の理由は、受診や検査を迷っていた私の背中を押してくれたのがネットにアップされた「ADHD検査を受けてきた方のブログ」だったからです。

 

普通に生活していれば出会うことも無い方が書かれた記事に勇気をもらった、そしたらやっぱり私も受診までに思ったこととかそれからの事とかを書こうかなって。

 

もしかしたら、これを読んで「やっぱり受診してみよう」って思う人もいるかもしれないから。

 

ADHDの検査って専門医のいるとこでしかやってないから、普通に心療内科を受診するよりハードル高いと思うんです。

 

家の近くにそういう病院がないパターンも往々にしてあるし。

 

あと私が1番不安だったのは「検査受けてみて違ったらどうしよう」って事でした。

 

「あなたはADHDではありません」って言われたら。。。それがすごく怖かった。

 

でも、ADHDの検査は「ADHDか、そうじゃないか」をはかるものではないんですよ。

 

個人の特性をみるもので、得意傾向・苦手傾向が分かるだけです。

 

ADHDは得意と苦手の差が激しい脳のバグみたいな、そういうものです。

 

だから、得意傾向と苦手傾向を数字に置き換える事でその差をみてもらうけど、実際「めちゃビミョー」ゾーンの人も沢山います。

 

ちなみに私は「めちゃビミョー」からちょっとはみ出したくらいの差でした。

 

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さて、前置きがすっごく長くなりましたがここからはちゃんと時系列で書いていきます。

 

 

まずは、人と違う・自分は宇宙人だって思い始めたところから。

 

1番最初にそう思ったのは小学生の時だったかな・・・。

 

忘れ物が多い。

家を出た私を自転車で母が追いかけてくれたこと幾回・・・・。

母よ、ありがとうそしてごめん。

これは大人になっても健在で財布もケータイも鍵もしょっちゅうどこかに消える。

さっきまで手に持ってたのに消える。旅先でも消える。

切符もSuicaもコンサートのチケットもコインロッカーの鍵もみんな消える!!!!!

 

考えがあっちこっちにいく。

先生が何かを話していても頭の中は空想でいっぱい。興味持てないってなっちゃったらもう1秒も耳に入ってこない・・・。

 

いろんなものに興味がいく。

もうね、授業中だろうがなんだろうが気になったものが出来ちゃったら最後でした。

算数の授業中に急に社会の授業のことが気になって頭がいっぱいになったり。

真夜中に本の続きが気になって飛び起きて読んだり。

 

集中スイッチが入ると周囲の一切が目に入らなくなる。

これ、過集中って言うらしいんですけど。

私の場合テレビと本が大好きで、読みふけったり見入ったらもう何回親に呼ばれても話しかけられてもダメでよく怒られました(笑)

 

ルールを守りたがる(守っていることに安心する)

例えば、私、横断歩道以外で道を渡ることにすごく抵抗(不安)を覚えます。

他にも掃除の時間にふざける男子にガチギレしちゃったり、先生の話を聞かない男子に(やめとけばいいのに)注意したり。

 

沢山のなかから目当ての物を見つける(その場所を覚える)ことが苦手

新学年になると下駄箱が変わります。これにすっごく苦労していました。

苗字的に大体したの方を割り当てられていましたが、毎日したから「1、2、3」と指差して数えてました。

 

で、この辺て自分は困るけど人には理解や共感がされにくいんですよね。

 

小学校の頃にADHDが見つけてもらえる子って「多動・衝動優勢」が圧倒的に多い。

※検査したところ私はバリバリの不注意優勢でした

 

授業中座ってられない、みたいな。

 

私はそうではなかったから、この辺の困りごとは特別認知されてなかったです。

(忘れ物多い子とか、正義感強い子とは思われてたかな)

 

中学に入る頃には、ルールを守りたい精神に拍車がかかり、空気読めない女子としてほかの女子から爪弾きにされたり、男子からまあまあハードにいじめられたりして、「普通の人ぶる」子になりました。

 

「普通の人ぶる」というのは、例えばルールを守らない男子をみたとしても「普通の人はこういうのは注意しない、これが気になるのは良く無いこと」だと自分に言い聞かせてやり過ごすことです。

 

あと、下駄箱が覚えられないとかも安定に続いていたけどバレてはいけないと思っていました。

これも「普通の人は下駄箱の場所がわからなくなったりはしない、数えたり何度も確認しないといけないのはおかしいこと」だと。

 

他にもまあ細々と「バレないようにしていたこと」があるけどもうすでに1500文字も書いてるから割愛します。

 

で、大人になったらなったでこれまた人よりも劣っている部分を発見して、それをちっとも改善できずに凹む日々を送ることになります。

 

仕事でいうと「一般的な事務仕事」がもうちっともできない。

 

数字やアルファベットのミスを連発し、ファックス番号を間違え、周囲の音や動きに気を取られてすぎて集中できず、典型的な「仕事できない人」になりました。

 

「確認すれば気づくよ」「ゆっくりでいいから」なーんて言われてもね、何回確認しても倍の時間をかけても全然わからない。

 

数字を声に出して読み上げるとか指差して確認するとかしてもミスは減らない。

 

先輩も「何であの子がこんなにミスするのか分からない」状態。

 

手を抜いてやってるとは思わないんだけど、ちょっと、ね・・・って何回言われた事か。

 

で、小さい頃からのルール守りたい精神も過激になってて、恋人がレシピサイトの作り方を無視しただけでめちゃくちゃ怒るような有様。

 

順序よく仕事をこなす、優先順位をつけるなんて高次元な事が出来るはずもなく、見よう見まねでやってみた「今やらない仕事は一旦机から退ける」なんてしたら「机から退けたことを忘れる」始末。

 

優先順位を書いたメモをパソコンに貼っても「メモの存在ごと忘れる」という、なんとも言えない感じ。

 

この辺りで相当自分に絶望して周りに申し訳なくて「事務仕事   できない」とか検索しだす。

 

で、出てきた方法を片っ端から試すも面白いくらい撃沈してまた落ち込む。を1年くらい繰り返してました。

 

そんな時にたまたま事務仕事が出来なかった原因はADHDだったっていう人のコラムを読んだんです。

 

衝撃でした。自分と同じようなことで悩んでいる人がいた、と。

 

そしてもしかしたら、自分が劣っているから、努力不足だからこうなっているのではないのかもしれない・・・。と。

 

検索を「事務仕事   ADHD」としてみました。

 

もしかして私もそうなのかも?と思う記事ばかりでした。

 

でも、受診する勇気もなく心療内科にちょっと微妙な印象もあったせい(過去の記事読んでみて)であんまりすぐには行動を起こせなかったです。

 

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自分のことを周りとは違う、自分だけ宇宙人(劣っている)だと思い続け、普通の人ぶる生活をしながらも「仕事の出来なさ」だけは隠しようもなく、何回めかの大ポカでやっと心が決まりました。

 

そこで担当医に言われたことがすごく印象に残っています。

 

「勇気を持って来てくれてありがとう。結果がどうであれ、これからのあなたが生活しやすいようにアドバイスできたらと思っています。」

 

ADHDとそうではないという人の線引きはとても曖昧です」

 

病院で待っている先生たちは初診の人が不安で怖くて、でもそれでもと病院に来ていることを知っています。

 

そして、冒頭にも書いたけどADHDの検査はインフルエンザの検査のように「そうか・そうじゃないか」を見るものではありません。

 

何が得意か・何が苦手かを自分自身で理解することで、少しでも肩の力を抜いて生きていけるようにするためのものです。

 

「違ったらどうしよう」と不安がっていた私は、この言葉でとりあえず自分の得意と苦手を把握しようと思えました。

 

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ADHDの検査ってめっちゃ時間かかるし結果出るまでも時間かかるしで大変です。

 

初診から2ヶ月くらい経ってやっと検査結果を聞けました。

 

私の場合でいうと、「言葉を使った理解や表現」はすごく得意とでました。

 

逆に「聞いたことを正確に記憶したり、同時進行で物事をこなす」ことがとんでもなく苦手だともでました。

 

私が受診した病院では、検査結果を得意と苦手を数値化したものプラス検査者さんからの細かいコメントとして特性(特徴)を書いて貰えました。

 

そこに書いてあったことを抜粋すると、

 

「言語理解の数値が他と比べてとても高く、全体的な数値も底上げしている」

「ただ、抽象的な考え方は苦手で字義通りに受け止めるために誤解が生じやすい」

「正確さとスピーディさ両方を求められるとどちらかが伴わない」

「不安から確認作業に追われ、さらに正確さやスピーディさが落ちる悪循環にハマる(ハマりやすい)」

「対人的感受性の低さ・共感性の乏しさが特徴的」

「常識的知識は豊富でも、要点を掻い摘んで端的な説明を行うことが苦手」

ASDの傾向もあり(ADHDの人って多くの場合でASDの特徴も持ってることが多い)」

 

といった具合ですよ。

 

こんなんもう努力でなんとかなる範疇超えとる。

 

事務仕事もまったくもって不得意分野すぎる。

 

向いてないなりに1年以上やってんの凄いんとちゃう?????

 

わけわからん関西人が出てくるくらいの診断結果でした。

 

ちなみに各項目の数字だけ見ると「ADHD寄りかな」程度の差でしたが、担当医からは「十分にADHDとしての対応を検討して良いレベル」だとのことで。

 

検査結果みてね、肩の荷が降りたんですよ。というか、開き直れた。

 

あー、なるほどなって。やっぱ宇宙人だったかーって。

 

市民権を得た宇宙人になったというか(笑)

 

宇宙人なことを隠そうとしなくていいんだなって。

 

私が苦手・劣っている、と感じてきたことの多くは「脳のバグ(ADHD)」によって生じてしまうもので、努力で補おうとしなくて良いこと、というか補うにしたって限界があるって。

 

そして周りの人には「苦手なことがある」という事を先に伝えようと思えました。

 

隠そうとせず、出来ることをやっていこうって。難しいんですけどね。

 

真っ先にやったことといえば「絶対になくすから持っててほしい」と言えるものは友人に預けることです。

 

チケットとかロッカーの鍵とか。財布やケータイは自分で持っていますがよく失くすことを伝えてあります。

 

そして、申し訳ないけど私がそういったものを忘れてたら教えてほしいとも。

 

 

で、肝心の苦手なこと祭り事務仕事はもうスパッと辞めました。

 

私が派遣社員ってこともあって、契約満了(更新なし)で辞めて今は違う仕事をしています。

 

仕事に関しては、私みたいにいく人の方が珍しいと思うので何もいえないんですけど・・・。

 

 

そして、担当医と相談してADHDのための薬であるコンサータの服用もしています。

 

これね、ほんとすごい。

 

周りの人の音や動作なんかに気を取られ過ぎずに仕事ができる、パニックにならないで済む。

 

集中できるってすごいなあ、コンサータ有難いなあって思う反面「服用しなくてもこれができる人たちいいな」って寂しく思ったりもするけど。

 

でも努力でなんとかしようとして出来なくて傷ついて泣いて凹んでいた頃よりずっとましです。

 

ただ、生きづらさを抱えて生きてきた10年強の時間を思うと、もっとはやくにこの結果を知れたらと思ってしまいます。

 

だから、もし、今この記事を読んでいて「もしや」と思ったら、ぜひ検査を受けてみてほしいです。

 

検査した結果「ADHDの可能性を否定する数値やコメント」が出たとしても、担当医はきっと「あなたが抱える生きづらさを解消する手助け」をしてくれます。

 

生きづらさを感じるのは努力不足でも、劣っているからでもありません。

 

この記事が誰かの背中を押せることを願って、おしまいにします。